文京区本郷三丁目の印刷会社エーヴィスシステムズは、印刷に関するあらゆる課題を解決します。

先日棚の掃除をしていたら、懐かしいものが出てきた。

 20年くらい前、上の坊主はちょくちょく幼稚園で問題を起こしては、カミさんに迎えの車の中で怒られていた。直後はシュンとするが、立ち直りが早くすぐに『ねぇ、おかあさん。あのね‥‥』とその日の事を話し始め、カミさんも飽きれていた。
 その日も帰りの車は反省室と化し、いつもの様に怒られていた。めげない彼は『今度のクリスマスプレゼントは白のゲームボーイアドバンスにしてって、サンタさんに言っといて』と。お前サンタ=両親ってわかって言ってるのかい。しかも色指定って‥
 カミさんは流石にコヤツを少し懲らしめてやろうと思い、白のゲーム機と一緒に紙粘土と絵の具を購入。そう、ゲーム機を見ながらゲーム機を紙粘土で作成。色の部分は粘土に絵の具を混ぜ合わせ着色し、なるべくチープに作ったよ。箱もバンドエイド100枚入りの空き箱を使い、箱の回りに白紙貼って、本物のケースを見よう見まねで、色鉛筆で描いた。

 当日は、クリスマス仕様の料理にサンタさんの代理と言う事でプレゼントを渡した。まず、下の坊主から。下はまだなんだかよく理解していないが、プレゼントをもらうとニコニコしていた。その様子を上の坊主は『よかったね。』と。次は自分の番だと分っているので、既に気分上々。
カミさん、クリスマス用に奇麗にラッピングした粘土細工のゲーム機を渡した。彼はニコニコとプレゼントを受け取ると包装紙をすかさず破り捨てた。中からは手書きの箱。彼は一瞬首を傾げ、キョトンしたが、それでも箱を開けた。
ジャジャーンお父さん自信作のゲームボーイアドバンス改(笑)が登場。彼は暫くそれを見つめ、カタマっていた。
カミさんの追い打ち 『あのね‥‥今年はお金が無くてね‥‥』と
彼は粘土細工を握りしめ、天を仰ぐと、黙って涙をぽろぽろと流した。
流石にちょっとトラウマになりそうなので、直ぐに本物を渡した。
『もう、やだな‥‥』と泣き笑いしながら受け取ると、さっきまでの悲しみは嘘のように消え去っていた。立ち直りの早さ、ぶれないなぁ。

 アドバンス改は暫く子どもが記念に持っていたが、見かけなくなって久しいと思ったら、棚の奥から出てきた。思いがけないクリプレだった。

 これが思い出のクリプレ 本物の方は既に故障して廃棄してしまったが
IMG_0465